なぜオタクにバカが増えたのか、という話

まず、以下の文章はこちらのまとめを参考にしていることと、私はこちらのまとめを作成された方とは何の関わりもないことを明言しておきます。

ライトノベルの歴史を本気でまとめてみた!70年代から2014まで【オススメ・決定版】 - NAVER まとめ http://matome.naver.jp/odai/2140717491204383601

以下本文

さて、そもそもちょっと前(10年くらい)までの「オタク」というのは、多少なりと頭のいい人の娯楽だったわけですよ。
なぜなら、オタクをやるには作者の脳内世界を文章なり絵なりで読んで、「理解して」、自分の「想像で補う」、という作業が必要なわけで、これは脳みそ縛りプレイしてたら出来ないわけです。(この辺を掘り下げるとオタクが理解されない理由とかにも行き着くけど今回は保留します)

で、「オタク」がそういう事ができる脳みそを持った人たちだけの娯楽だった時代に流行ったのが宇宙や異世界に飛び出す話しだったんですよ。(面倒なんでここではこの辺全部ひっくるめて「ハイファンタジー」と呼びます)
そんなハイファンタジーオタクたちが盛り上がって出来たオタク市場、これが一時期停滞します。顧客に対して市場が飽和したせいです。


そんな中でエヴァンゲリオンが出てきて、オタク界隈にそれまで子供向け扱いだった「ローファンタジー(現実世界をベースにしたファンタジー、とここではします)」とセカイ系がジャンルとして浸透します。(それまでにもそういう作品はあったでしょうが、エヴァブームによってこの手の創作の勢いがハイファンタジーを超え始めるに至りました。)

エヴァンゲリオンブームの何がすごいって、ハイファンタジーオタク以外の客層をガッと切り開いたことですね。
さらに、ローファンタジーは「現実の拡張として理解が出来る」のでハイファンタジーに理解が及ばない客層を開拓し、セカイ系は作劇において登場人物の数を劇的に減らしました(セカイ系では局地戦の結果がそのまま世界の興亡なので、戦争をしても大人数を動かす必要が無い、つまり覚えやすいしわかりやすいのです)。

ローファンタジーが「オタク向けコンテンツ」として認識されるとともにローファンタジーは「オタク」への参入障壁を引き下げました。最初に「オタクは多少なりと頭がいい」と言いましたが、世の中には頭がいい人よりもそうでない人のほうが数が多いので、ローファンタジーの隆盛にともなう新規オタク(第二オタク、とでも呼びます)の参入はオタク市場をグイと押し広げます。
もちろん、商用にアニメ作ったりゲーム作ったり本書いたりしてる人たちはお金稼ぎをしなければならないので、新規顧客である第二オタクへ向けた作品をばっしばし作ります。こうしてローファンタジーがオタクコンテンツの主流へと押し上げられました。

頭のさほどよろしくない人へ向けて作られた作品がお金を呼びこむことがわかれば、さらにお金を稼ぐためには、より頭のよろしくない、つまり「バカ向け」にオタクコンテンツを作ればいいわけです。(バカ、といっていますがこれは「本当に脳みその使い方を知らない残念さん」も「知性を蓄えている最中である子供」もひっくるめて指して使っています)

こうして「読解力や想像力に欠けたオタク」が生まれたのでした。


(余談:バカ向けコンテンツで第二オタクが量産された、と言いましたが、バカにもプライドがあるのでその自尊心を満たす必要があります。最近のライトノベルによく見られる「よくわからない読み方のルビを振ったラノベ」はまさにその自尊心を満たすものだと思います。ラノベは中高生のお財布にも優しいですしね。)